
Α貿焦箸侶彗?Σ鮴呂里泙箸?/BLOCKQUOTE>
医学の分野においては臨床、研究を問わず、脳波の計測は、通常電気的、電磁波的にシールドされた特別の検査室において、ベッドに横たわった状態で実施される。本研究のように特殊な環境、即ち、体躯を固定しない状態で、しかも動揺刺激を加えながらの計測はあまり例がない。しかし、本研究を通じて、このような特殊な環境下においても脳波の計測は可能であることを示した、但し、計測中の体動、その他の所作によって筋電位によるアーティファクトが混入することはやむを得ない。
本研究においては、このアーティファクトの確認をまず行い、まばたき等の一部の原因によるアーディファタは濾波によって取り除くことが可能であることを示した。しかし、純粋に脳波を計測するのではなく、筋電図等の影響をも含んだ脳波を計測し、動揺刺激暴露時の脳波として扱うのが妥当であるとの考え方もあることがわかった。
本研究においては、脳波の計測結果の解析法の確立も研究目的の一つであるので、スペクトル解析を中心に種々の解析を試みた。全ての試みに成功したわけではなく、また現在進行中の解析もあるが、以下に解析結果を基にまとめておく。
?脳波のスペクトル解析結果より、酔いの発症者と非発症者でスペクトル密度の周波数特性に差のある場合のあることが明らかとなった。即ち、発症者の場合に共通な点は、酔いの発症過程において周波数スペクトルおよび平均パワーの時間の推移に伴う変動が大きいことである。しかし、θ、α、β波のいずれの波が特徴的に現れるかは、個人差、場合差のあることが判明した。
?本報告には載せることができなかったが、動揺暴露中に嘔吐した被験者の場合には、θ波が顕在化する場合と、β波が顕在化する場合のある。また、これらの脳波の顕在化とカテコールアミンのうちアドレナリン、ノルアドレナリンの血中濃度にかなり明確な相関のあることなどが明らかとなっている。
?安静状態で脳波の計測を行った場合、脳波記録にα波あるいはθ波の振幅の変動が見られることがある。β波に関しては調べていないが、酔いの発症者においてもこのようなゆらぎの現れる例が見られた。心理的な反応の表れであるとも理解でき興味深い。
計測される脳波信号が大脳皮質からの誘発電位であるとの前提にたつと、被験者の心理状態による現れ方の遠いは必然であると考えられる。この点を完全に明らかにするためには、脳波の計測・解析では限度がある。しかし、大脳皮質のどの部位辺りで活性化レベルが高くなっているかの概要を知ることは、脳波の頭皮上におけるマッピング(トポグラフィー)を利用して知ることは可能であると言われている。
?そこで、スペクトル解析によって得られる頭皮上各点(21点)の活動電位の平均パワーを用いたマッピングを行った。(但し、解析ソフトウェアの都合上、15点のデータを用いたマッピングとなっている)マッピングの結果から、酔いの発症者の場合にも、非発症者の場合にも動揺刺激(視覚刺激をも含む)という外的刺激に起因する心理的反応を示していると考えられる高活動電位の頭皮上における顕在化、消滅、あるいは移動が認められる。この点は、時間領域における瞬時の誘発電位のマッピングによっても確認できた。しかし、前述したように、市販のマッピングソフトウェアは各計測点を用いた補間を行っているものではないので、本報告に示されるトポグラフィーより得られる高平均パワー位置は必ずしも正しいとは限らない。この点に関しては、現在開発中のマッピングソフトウェアを用いた解析の結果を待たねばならない。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|